人気ブログランキング | 話題のタグを見る

屋上ミサイル 著:山下貴光

屋上ミサイル 著:山下貴光

第7回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した作品です。

内容は、
大統領がテロ組織に拉致監禁されるという大事件が
アメリカで発生していたものの―
日本の高校生たちにとって、それは遠い国の出来事だった。
それよりも、もっと重要なことがある。
例えば、校舎の屋上でスケッチをすることだとか。
美術の課題のため、屋上にのぼった高校二年生の辻尾アカネ。
そこで、
リーゼント頭の不良・国重嘉人や、
願掛けのため言葉を封印した沢木淳之介、
自殺願望を持つ平原啓太と知り合う。
屋上への愛情が共通しているということから、
国重の強引な提案で“屋上部”を結成することになった四人。
屋上の平和を守るため、通行人を襲う罰神様騒動、
陸上部のマドンナ・ストーカー事件、
殺し屋との遭遇などに巻き込まれることになる。
それらはすべて、ひとつの事件に繋がっていた
(Amazon参照)


「このミステリーがすごい!」の受賞作ではありますが、
選考委員会が真っ二つに意見がわかれた、ある意味問題作!

確かに意見が分かれるのは分かる気がします。

言葉選びのセンスが良くて、読みやすい
テンポの良い展開とキャラクターの豊かさ

色々と好評価できる点はあるのですが、

ご都合主義とでも言えるぐらい
偶然が重なり、若干無理矢理感のあるストーリー展開が
目立ちます。

特に後半~クライマックスにかけてはそれが顕著で
偶然無くしては物語が進まないほど

批判の1つに「伊坂幸太郎のコピーだ」というものがありますが、
確かに設定がアメリカがテロで軍事基地を占拠し、
世界中にミサイルは撃てる状態・・・世界は滅亡の危機
はまるで終末のフールのような印象を受けました。
そしてそこに生きる普通の人々の日常を描くという点でも。

しかし、確かに似ているかもしれませんが、
この1作だけでは何とも判断がつかないので
これからの作品を読むことでマネているかを判断したいと思います。

上記で述べた偶然によって物語が進む展開が許せる方にはすごく
魅力的なおもしろい作品だと思います。
(ちなみに、僕自身はご都合主義的な展開はあまり好きではありませんが
 この作品に関してはそれほど拒否反応は起こしませんでした。  )


単純にキャラが魅力的なのでそれだけでも読む価値はあると思います。
良いか悪いかは是非1度読んで確かめてください。

屋上ミサイル 著:山下貴光_a0114618_12292569.jpg


★★★★☆ 星4つです!
過去のレビューリストはコチラ

「Piece of Life~日常の欠片~」HP版はコチラ
by ks-1518 | 2010-03-29 12:30 | 読書


<< 薄毛の品格 著:小杉 竜一(ブ... 88cafe Live Nig... >>