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邪眼は月輪に飛ぶ 著:藤田和日郎 協力:床井雅美

邪眼は月輪に飛ぶ
著:藤田和日郎 協力:床井雅美


うしおととら」「からくりサーカス」で有名な藤田和日郎さんが
初の青年誌(週刊ビッグコミックスピリッツ)に
2007年2号から2007年9号まで連載された漫画です。
全1巻(全7話)

内容は、
むかしむかし……。
座礁した米空母が東京に持ち込んだ“ミネルヴァ”。
その眼で見られたものは、たとえモニター越しであっても死ぬ。
死の街と化した東京に“ミネルヴァ”殲滅の命を受けた米軍特殊部隊が派遣される。
その中には老マタギ・杣口鵜平とその娘で巫女の、輪の姿があった。
鵜平はかつて“ミネルヴァ”を仕留めたただ一人の男であった……。
(Amazon参照)


全1巻と短い内容ですが、
しっかりと中身の詰まった作品です。
これまでの少年誌と違い、青年誌での連載ということで
結構残酷な描写も目立ちます。

それでも藤田和日郎さんらしさは失っていません。

そのらしさの大きな要因の1つは
登場人物の魅力です。

主人公が著者の作品では珍しく、おじいさん(杣口鵜平)。
でも、ただのおじいさんではありません!


村人から「仙人」とも称えられる狩の名人で、
殺気を放たずに猟銃を撃ったり、
機敏に動き回ったり、
米軍の特殊部隊に取っ組み合いで勝ったりと
まさに、超人

そして、性格も
猟師らしく、山や獣にに敬意を払い、
老人らしく、頑固
そして、信念を持ち、情に熱く、男らしくて不器用。

こんなにも魅力たっぷりな人物なんです。

鵜平以外の脇を固める人物も魅力たっぷりで

娘の「輪」は血が繋がっていませんが、
鵜平の娘らしく親を思い、
巫女の力を発揮して様々な特殊な能力を発揮します。

そして、米軍特殊部隊のマイケルとCIAのケビンも
それぞれに、信念やトラウマなど様々な人間性を持った
愛すべきキャラクター達。

そして、忘れてはいけない本作の重要キャラクター
ミネルヴァ

観るだけで相手を殺してしまうという
恐ろしい能力を持った梟(フクロウ)ですが、

ただの化け物ではなく、
きちんとした生き物であるように描かれいて、
この辺りが本作のキモなんだと思います。

短い中にも数多くの要素が入った
完成度の高い作品。

オススメの1冊です。

邪眼は月輪に飛ぶ 著:藤田和日郎 協力:床井雅美_a0114618_047251.jpg


★★★★★ 星5つです!
過去のレビューリストはコチラ

「Piece of Life~日常の欠片~HP版」はコチラ
by ks-1518 | 2010-12-05 23:58 | 読書


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